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EXHIBITION ⁄ 展覧会・イベント

2005/01/26 - 2005/02/26
筒井伸輔展

  • Beewax, oil on canvas
  • Installation view
筒井は、一貫して蜜蝋(みつろう)を画材に使用し、「虫」というモチーフを表現し続けてきた作家です。
彼の作品の画面に抽象的に現れている不思議な形は、虫の形の一部分が拡大されたもので、顕微鏡写真で取り出した自然の形をそのままトレースしたものです。透明感があり、奥行きを感じさせる独特の質感は、型紙を使って蜜蝋をキャンバス上に流し込むという技法によって生み出されています。独自の研究を重ねてできあがった彼のユニークな表現技法は、自分の主観をそぎ落とし、極めてニュートラルな状態になるように作り上げられています。

筒井はこれまで蛾の生殖器をはじめとする虫の死骸をモチーフにしてきましたが、ここ最近は微生物などにも興味が広がってきました。そこへ、水生昆虫をモチーフにした音楽のCDジャケットの話がきたことに始まり、その後本展で発表予定の最新作まで全て水生昆虫をテーマに制作しています。

水生昆虫という生物は、一生のある時期または全てを水中や水上で生活する昆虫のことをいいます。特に幼虫は川底の石の下にしがみついて生活しているものも多く、普段陸上で多く生活する私たちにはほとんど馴染みのない生物ですが、今回筒井は自然環境に根ざしたモチーフとして、その中でもフィッシングカルチャーに馴染み深い水生昆虫たちを選び、制作した作品の数々を展示します。
 
今回展示される9点の作品のモチーフとなったのは、シロタニガワカゲロウの幼虫の部分や、亜成虫に羽化した直後の部分、ニンギョウトビゲラの幼虫の内臓などがモチーフなどです。
本展は、精巧なフライなどのモデルにも使われる水生昆虫をテーマにしつつも、環境を慮るメッセージなどを配し、トータルな世界観とコンテクストを模索するのがねらいです。
また、コンピューター・テクノロジーを駆使するサウンドアーティスト6グループが、水生昆虫のモチーフと筒井によって制作されたアートワークによるインスピレーションから音響デザインした作品も会場で流す予定です。

蜜蝋、虫といったスタイルを守り続け、その表現を究めている筒井が、さらにその内容を深めて新たな試みに挑む展覧会です。