MIZUMA ART GALLERY


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EXHIBITION ⁄ 展覧会・イベント

2005/06/01 - 2005/07/02
青山悟展 「空気 コーヒー 東京の朝」

青山悟は、一見写真か絵画ではないかと思うほど精巧な写実的刺繍作品を制作することで知られている作家です。ミヅマアートギャラリーでの個展は今回で2度目となります。

本展では人と「間」をテーマにランドスケープや指輪、コーヒーの染み、下着と言った静物作品やライフサイズの犬のドローイング等を中心に展示し、様々な角度から刺繍というメディアの可能性を追求します。また、青山が「コレクテッドフォトシリーズ」と呼ぶポストカードサイズの小作品やドローイングも数点出展する予定です。

青山の描く刺繍作品は「匿名の」日常の光景です。ここで言う「匿名」とは、東京という特定の場所やモノを対象にしているにもかかわらず、特殊性をもたず誰しもが日常生活の中で普段目にしているありふれた光景であることを示しています。

また最近の作品、特にランドスケープ作品には時間と空間の関係性が明確に提示されています。東京の美しい朝焼けの空が印象的な作品や、日没前の西側と東側の空と校庭を描写した作品、夜の闇にぽっと浮かぶ窓明かりの作品など一日の中で移り変わる光と空により作品内の風景の時間は限定され、広角で広域をとらえることにより場所に対する空間的奥行きを増しています。ありふれた日常のふとした光景がこのようにより具体的に描かれることにより、作品内に人が登場していないにもかかわらず、青山の作品には人の気配が強く感じられるようになっています。

「瞬間をとらえ時間を宙刷りにする」特性を持つ写真と、そのイメージを「一針一針人間の手で時間をかけて制作する」刺繍という特性とを合体させたことで、かつて「そこ」として切り取られた「場所」と「瞬間」を、気が遠くなるほど長時間を要する作業で再構築されたイメージはもはや「そこ」ではない新た風景でありもう一つの「場所」と「瞬間」創出しています。

一日という時間の中で出会う些細な光景が詩的に表現された作品は、鑑賞者に対して一つの解釈を強いることなく、作品を通してそれぞれの体験の中に残る意識や感覚を呼び起こしてくれることでしょう。
  • "DOG"
  • 2005
  • charcoal and embroidery on paper
  • 123x88cm
  • "Good Morning Tokyo"
  • 2005
  • embroidery(cotton and polyester thread) on polyester organza
  • 42.5x59cm