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EXHIBITION ⁄ 展覧会・イベント

2004/10/12 - 2004/11/13
宇治野宗輝 "KARMA OF SUBURBAN VILLA [略:KOSV]"

  • "御存荘"
  • 2004
  • wood, mixed media
  • W300xD580xH260cm
宇治野は自らの活動を「デス・メタル」ならぬ「DEATH工芸美術」と呼び、これまでに、デコトラやバイクのパーツを使ったオリジナル楽器「LOVE ARM」シリーズを制作し、日本に急速になだれこみいつのまにか浸透したアメリカの大衆文化を揶揄した作品を発表してきました。また、前回個展「日本シリーズ」では日本人の使う「和製英語」についての考察を、ハイパー盆踊り風櫓「Love Arm2 extended」では太古日本から長年営まれてきた「日本の祭り」を過剰に増幅させた形で表現・発表してきました。宇治野がこのような作品を制作し続けるのには、自身が東京の郊外で生まれ育ったことと、大学で工芸(染織)を専攻したことも、かなり大きく関わってきています。

本展「KARMA OF SUBURBAN VILLA」のメイン作品となるのは、戦車型和風住宅風彫刻作品「御存荘(おぞんそう)」と、回転運動をテーマにした自動演奏システム「The Rotators」です。いずれも素材は普通の家電もしくは廃品、建材、本など、ごく身近にあふれるものたちで構成されています。

「御存荘」は、日本人の目新しいもの好きと、古物に対しては妙に重宝しすぎる傾向への矛盾した心理を具現化したものです。次々に展開される新製品やかっこいいデザインもの、もしくは骨董品に大枚をはたき、まだ使える品々が次々と廃棄される消費大国日本。そして「唐傘」などに代表される、ものを粗末にしたときに出るといわれるお化けたちへ対する畏怖の念がいまだ存在する日本。「次々とものを買い替え飽きたものは捨てる」ことが豊かさの象徴なのか?「古物・古美術に大金を払い重宝する」ことが文化なのか?
また、大量消費と廃棄に呼応するかのように、リサイクル業はどんどん規模拡大、空き缶や空き瓶だけでなく、家電やコンピューターの中の銅や金などの金属まで資源として法で定められ、古材が商品として取引される時代…。ゴミさえもうゴミではなくなっているのです。もはや現代においては、ピカピカの未来は過去のものとなっているのではいないかーーー。宇治野のこのクールな視線が、この巨大なオバケ作品「御存荘」を誕生させたのです。
  • "Rotatorhead(blacky)"
  • 2004
  • Turntable,mixed media
  • W60xD50xH22cm
「The Rotators」は、チェーンソーやグラインダー、ターンテーブルなどを使い、けたたましい音を出しながら回転し続ける攻撃性の強い作品です。この「Rotator=回転」は大宇宙に対して自転し続ける地球と、地球上で繰り広げられる台風や海流などの大自然に立ち向かってきた人間の智恵の歴史を表現しています。現在、電気的に動くもののほとんどはモーター(=回転)で動いているという事実をふまえ、回転の機能性と回転によって生じる強烈な亀裂音がミックスされた作品となっています。 

真面目でいつつも、宇治野流の力強く、クールなユーモアにシフトチェンジされた「怪物作品」並びに宇治野の未来社会への批評的提示を是非皆様にご覧いただきたいと考えます。