MIZUMA ART GALLERY


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EXHIBITION ⁄ 展覧会・イベント

2002/08/28 - 2002/09/28
会田誠・田中功起展

現在私たちは文章を書いたり編集したりという行為のほとんどをコンピューター上で行っています。しかしアートワークを行う者にとって「紙」とはアイデアを書き留め
たり、コンセプトを記したり、エスキースやドローイングを描いたりするための重要なアイテムです。
そこで本展では、重要であるにも関わらずまとめて紹介する機会のなかった紙に関連した彼らの作品を一挙に公開することにいたしました。

会田誠(36歳)は、19歳の頃制作した「現代美術処女作」をはじめとした、学生時代の作品(大学の芸術祭のみでの発表作)や短期間の展覧会でのみ発表した展示作品で構成します。学生時代に追求した「芸術の本質・本質駄作」をある時期に捨て、現在では「表面の美しさ・表面傑作」を追求する形で会田は活動してきたといえます。精密に描写された絵画作品は瞬く間に注目され評価を得た会田ですが、本展出品作はむしろそういった絵画作品とはまったく毛色のちがう本質駄作の方の作品です。それらの作品には絵画作品に較べて淋しい程ちゃんとした評価がまだ得られていません。しかし会田の中にある「駄作の中にこそ真実の俺がいる」という考えは今も彼の中に存在し続けています。果たして彼の求め続ける「本質」とは何なのか、それらをもう一度ちゃんとした形で観ていただくことで今一度会田誠という作家の全体像を再確認していただきたいと考えます。


一方田中功起(26歳)はデビューして間もない中、次々に指向の異なる良質な作品を発表しています。しかもそれらの作品同士が本質では関連性を感じさせながらも、実は全然関係なさそうな、全く次の展開が読めない、観る側の気持ちの準備まで外してくれる作家です。
今春水戸芸術館で開催された「スクリーンメモリーズ」では、東映Vシネマより引用。哀川翔氏率いる組が敵陣のドアに発砲すると、ドアの向こうで哀川翔氏が振り返る、やがて哀川氏が何度も何度も何度も振り返り続ける、クドすぎる映像を出品し、いわゆるビデオアートにはない明快さとテンポで注目を集めました。本展ではトイレット
ペーパーが当て所なく舞っているビデオ作品「fly me to the moon」や、ダメ案を描いてしまった紙をグチャグチャに丸めて原型にした「BAD PLAN」などを展示予定で
す。

展覧会を企画した段階では全くの初対面だった二人は出展作品や展示方法についてもまだお互いを探りあっているような段階です。ちょうど10年の歳の差が生む互いの違い、あるいは共通する部分を本展で是非観客の皆様に探っていただきたいと思います。お互いが自分の作品によって相手を牽制し刺激を与えあいつつ、決してお互いの色に染まることなく、むしろ互いを意識し知ることで自身の作品を改めて見つめながらコマを進めていく姿が展覧会が始まるまで、始まってもきっと続くことが予想されます。人を鼻で笑うかのような作品を発表し続ける会田と田中、この二人は展覧会期中も相手の出方次第で展示を次々にかえながらまた相手の出方をみるという場面を延々と繰り広げる、かつてない展覧会を作り上げることでしょう(観客にとっては撹乱以外の 何ものでもないものになるかもしれませんが)。
また本展では二人の新作・未発表メモ・ドローイングをはじめ「紙」に関連した彫刻や写真作品も多数展示いたします。まだ発表が目的とされていない未整理の段階にあるものにも、時には完成された「作品」にはない神々しさを見い出すことができるのではないでしょうか。

ミヅマアートギャラリーでは初の発表となる田中の展示にも是非御注目下さい。