MIZUMA ART GALLERY


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EXHIBITION ⁄ 展覧会・イベント

2000/02/04 - 2000/03/04
岡田裕子個展 ~戯曲「紙と手、恋と謎」より。~

さて2000年2月4日より3月4日まで、ミヅマアートギャラリーにおきまして、岡田裕子個展 ー戯曲「紙と手、恋と謎」より。ー を開催する運びとなりました。

今回の展覧会では、岡田が創作した架空の戯曲「紙と手、恋と謎」に基づいて展開するイメージを、写真を使ったコラージュ風の絵画作品で表現します。まるで劇のワンシーンをとらえたスチル写真のように、それぞれの役割を演じる人物達が画面に描かれ、大仰なポーズや装飾的な演出が施されたドラマチックな要素が強い絵になっています。作品の素材には写真やカラーコピーを使用し、さらにアクリル絵具で着彩したり塗り込んだりといった技法が加えられます。写真に撮られた半裸の人物像は引き伸ばされたり、切り刻まれたり、モザイクで覆われたり等、滑稽で残酷な加工が施されます。
この架空の戯曲では、オムニバス形式で3組の男女が織りなす奇妙で“不毛”な人間関係が描き出されます。例えば第1話では恋人同志であるM氏とS嬢は愛し合いながらも互いの束縛に苦しみ(同封の作品写真参照)、作品の中では身体に絡み合う手という形をとってその心理状況やストーリーが分かりやすくビジュアル化されています。岡田が試みているのは、人と人とが向かいあった時に生まれる関係の視覚化であり、作品のベースとなる物語は誇張されてはいるものの、実際私たちの日常でも浮上してくる問題が扱われています。登場人物たちは狂言回しであり、観客である私たちはありえない物語だと可笑しく思いつつ、いつしか画面の中に自分に似た姿を見付けることになるでしょう。そこにはこうすべきであるという理想や定義は存在しません。思い悩み戸惑いながら様々な思案をし、何かを探し求めている同世代の若者の現代的な感覚が、作家によって瑞々しく表現されています。

本展開催の後、岡田は制作の場をNYへと移します。しばし日本を離れる前の最後の発表になり、今までの活動の総括ともいえる充実感ある内容の個展になりそうです。この機会に是非今展をご覧下さい。