MIZUMA ART GALLERY


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EXHIBITION ⁄ 展覧会・イベント

2000/07/21 - 2000/08/12
できやよい個展

ミヅマアートギャラリーではこの夏、若手注目株・できやよいの展覧会を開催することとなりました。。

昨年水戸芸術館にて開催された「日本ゼロ年」(美術評論家・椹木野衣氏企画)に、できは最年少で出品参加し、鮮烈な印象を人々に与えました。あふれんばかりの色彩と、つぶつぶのフィンガープリントの織りなすグラデーションは、とどまることを知らず壁面や床に増殖し続け、やがて「ななかむら」という彼女独自の幻覚が浮遊する世界を現出させ人々を圧倒したのです。

この「ななかむら」という世界は、できが2歳のときから住んでいる世界であり、指人形のパンダが等身大になって枕元に現れたり「まっさん」という妖精がただ叫び続けているかと思えば現実世界の友人達が現れてきたりする世界だと作家は言います。「ななかむら」と現実世界との境界は曖昧で、どちらの世界が本当なのかわからなくなるくらい、彼女にとってリアルな世界なのかもしれません。彼女のいままでの作品は、すべてこの「ななかむら」の様子を描写しているものと言えます。それは幼少の頃からできが見続けてきた幻覚を、草間弥生さながらひたすら「なぞる」行為であり、はじめから計画性をもって制作されるわけではありません。
  • 制作中の作家
しかし私たちはそこから、その時々のあっけらかんとした底抜けの陽気さや、悲しみ、優しさ、そして恐怖といった繊細な感情を読み取ることができるのです。展示空間はそのような極端から極端までの感情が入り交じり、うねり、無秩序のようでいながらも独特の秩序を保っています。私たちができの作品を見たときに湧き起こる不思議な感覚は、通常一度に経験することのない多様な感情が、その恐るべき独特の秩序によって構成され、がんと目の前に突き付けられるからではないでしょうか。
多くの事柄に影響され易い彼女の感性は今後も変遷しつづけると思われ、22歳のできがどのように日々を捉えているのか見られるのは今だけとなります。また近・現代の美術の流れや美術教育から受ける影響などとは無縁の彼女は、次世代の作家としても注目されています。今展は、彼女の実質的なデビューとなった水戸芸術館での展覧会後の初の個展となり、未だ未知数とされる彼女の可能性を確認できることと思われます。是非今展をご高覧ください。
  • 作品外観 作品(小屋)内部
  • 作品外観