MIZUMA ART GALLERY


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EXHIBITION ⁄ 展覧会・イベント

1999/10/21 - 1999/11/27
O JUN 個展

今回の個展でO JUNは「家」と「服」をテーマとした絵画群で構成します。
この二つに共通するのはどちらも「人間」を基軸にして成り立っているという点です。昔から私たちの 生活に絶対不可欠である衣食住の中の、人間を包む大きな器の「住居」と小さな器の「衣服」。
既製品やモデルハウスのように、たとえ最初は同じ形をしていても、改装したり増築したり、庭に植えられた木や、そこに住む人々によって置かれた調度品、衣服についていえばそれぞれの体形など人間を 介すことによって、それらは様々に表情を変えていきます。
O JUNが今展で展示するのは「家」や「服」そのものの絵ですが、それは「家」や「服」そのもの以上 に実際は媒体となっている「人間」の肖像画を描こうとしているのではないでしょうか。

O JUNは不思議な、フラットな絵を描く作家として知られています。
彼は、自身のごく私的な体験やものをもとに描き、作品としています。しかし、説明不足という印象を受けるほど、その絵の内容は一見、単純かつ曖昧な作品に見受けられます。近年、美術作家は作品を通じて作家自身の主義主張をゴリ押しなまでにアピールするのが当然のようになってきています。他の作家の作品の多くは、「この様に作品を解釈し、このように考えよ。」と鑑賞者に命令口調で語りかけ、観る側としてはそれを読み取っていく事で鑑賞する仕事が完了してしまいます。しかし、O JUNの作品はまさにそのような作品の見方に一石を投じるような作品であるといえます。
  • 会場風景
  • 1999
O JUNの作品はまず鑑賞者がその絵の奥を探ることによって成り立つ絵画であり、コップの中の水の水底を透かしてみるように想像してみるところから始まります。それはO JUNの作品を楽しむ上でとても重要な作品の見方のひとつです。普段の鑑賞の方法に慣れてしまった私たちは時に動揺しながらも、O JUNの私的な体験にただシンクロするのではなく、彼の作品を通じて自分個人の心の深淵に触れていくことになるのです。そこでやっと、彼の作品を間において作家と鑑賞者が向かいあうことができるのです。 O JUNの作品をじっくりと見つめることで、この世の中の様々な問題、それを生みだす「人間」、であるところの「自分」を探り、「自分のなかにある何か」をそれぞれの鑑賞者が引きだせる機会となれば、それはとても幸いだと考えます。

O JUNのここ最近の活動ぶりはこれまで以上に目覚ましいものがあります。昨年一年間で開催した展覧会は個展・グループ展を合わせ実に10回以上にも及びます。またファッションブランド「コム デギャルソン」が新しく出したブティック「ジュンヤ・ワタナベ」の広告を99春夏に続き秋冬も手掛けるなど、作品を美術の世界のみならず外へと発信し始めています。
それだけの活躍ぶりのO JUNが、本年はこの個展のために力を注ぎ込みます。これまでの持ち味であるクレヨンにかわり、鉛筆とグアッシュの素材、そして全て同サイズの作品から構成されます。O JUNの作家としての自身の新しい表現への果敢なる挑戦を、今展にて是非感じ取って観て下さい。
  • 左:「スカート」右:「ズボン」
  • 1999
  • 紙、グワッシュ
  • 各H171xW124xD5cm
  • 左:「靴下」右:「軒下」
  • 1999
  • 紙、グワッシュ
  • 各H78×W73×D4cm