MIZUMA ART GALLERY


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EXHIBITION ⁄ 展覧会・イベント

2009/01/28 - 2009/02/28
棚田康司 展 「結ぶ少女」

2009年1月28日よりミヅマアートギャラリーにて棚田康司の個展を開催いたします。
2008年9月、棚田は静岡県のヴァンジ彫刻庭園美術館にて2年間の沈黙を破り、個展「十一の少年、一の少女」で空間を意識した新作12体を発表し、美術館での初個展を成功させました。本展は同美術館で発表した力作と新作1点で構成されます。
  • 木洩日の少年
  • 2008
  • 榧材の一木造に彩色
  • 139x39x33.3cm
  • photo by Jun Kumagai
棚田康司は2003年より一貫した手法によって少年/少女の像を制作し、それぞれの作品の意味と見方を観客に委ねてきました。日本においては古くより木彫(主に仏像彫刻)に胡粉などで着彩を施す歴史がありますが、棚田はフローリング用オイルやリキテックスといった新たな素材を用いた独自の手法によって、絵画的要素をもつ彫刻作品を生み出しています。そして、人体という具体性の強いかたちと、意味を限定することのない抽象性の強い作品タイトルの均衡は、彼の作品にゆるぎない存在感を与えてきました。棚田のその明確な姿勢は、着実に定着しつつあります。
また、先のヴァンジ美術館での個展のために制作した11体においては、身近な女性をモデルにして少年を創り上げるという初の試みを行い(残り1体は棚田自身)、個々に独立し具体化した作品と、それぞれに豊かな“顔”を獲得しました。
  • 木洩日の少年(部分)
本展で発表される新作『結ぶ少女』は、今まで棚田が培ってきた表現方法をさらに飛躍させた作品となります。近年、少女シリーズとしては『編む少女』や『衛る少女』など両義的な意味を示す作品を発表してきました。(『編む少女』は何かを編む、あるいは少女自身(の人生)を編んでいるようでもある。『衛る少女』は何かに衛られている、あるいは何かを衛っているようでもある。)
今回の『結ぶ少女』は、あらゆる対極した概念を“結ぶ”イメージから生まれています。
「テロ」と「平和」、「飽食」と「飢餓」、「現実」と「未来」―。現代に生きる私たちは、日々のさまざまな物事を受け止め、理解しようと努力する必要があります。棚田の提起する“結ぶ”という行為は、そのような対立する世界を繋げることを意味しているのではないでしょうか。
  • 蜘蛛の囲の少年
  • 2008
  • 樟材に彩色、レース糸
  • 39x29x19cm
  • photo by Jun Kumagai
棚田は少年/少女を制作する理由を「神聖な存在だから」と語ります。そこに宿る無限の可能性と、一歩足を踏み出し、前進しようとする姿の『結ぶ少女』が見つめる先とは・・・それは私たちに新たな視点を投げかけています。

多くの観客を感嘆させたヴァンジ彫刻庭園美術館での作品群と、次なる展開をみせる新作、あらゆる物事を大きく円環させるように繋げたいと望む『結ぶ少女』を、どうか皆様にご高覧いただきたく思います。