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宮崎勇次郎展「青と緑と富士山」(TOKYO)

2011年06月15日(水) - 07月09日(土)

宮崎は1977年大分生まれ。2001年に東京造形大学を卒業しました。

2005年の「トーキョーワンダーウォール公募2005」トーキョーワンダーウォール大賞を皮切りに、2007年「VOCA展2007」、2009年「neoneo展 Part1[男子]ーネオネオ・ボーイズは草食系? 」高橋コレクション展と着実にその実力を発揮してきています。

宮崎の実家は銭湯を営んでおり、壁に描かれたペンキ絵はとても身近なものでした。実際に銭湯の背景師に師事し、その手ほどきを受けた経験から生まれるその作品は、鮮やかな青空や匂い立つような樹木の緑と富士山を描いています。


『いま感じるものを描く。』

「私たちは常に環境と情報の大きな波に巻き込まれながら生活をしている。

一枚の絵を描くのに長い月日を費やし、制作する期間も私自身にさまざまな出来事が起こる。良い事もよくない事も。その時に生まれる感覚、感情、願望などを擬物化し、キャンバスに描き込んでいる。今日の出来事は描ける。私にとって一枚の絵は日記のようなもので、いま感じている事を素直に画面に描きしるしたい。」宮崎はそう強く思っています。

今回メイン作品である「ダフネの森」は自然との共存をテーマにしています。未曾有の震災を経験したいま、宮崎は再び自然や社会に対する人間のありようを見つめ直さないといけないと考えました。ダフネ達が自然を取り込み、取り込まれるように手や足や髪の毛が植物となっている情景を描き、またそこには生や死といった観念をも内包した作品に仕がっています。

「いま再び自然と向き合い、人間のありようを考えないといけない。」そんな宮崎の想いが込められた作品の数々を是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。