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Susan Philipsz "Did I Dream You Dreamed About Me"(TOKYO)

2011年08月23日(火) - 08月27日(土)

中目黒ミヅマア・クションにてスーザン・フィリップスのサウンドインスタレーション「Did I Dream You Dreamed About Me」を展示致しております。

ミヅマ・アクションでの最後の展示は、スーザン・フィリップスが昨年2010年12月にターナー賞を受賞したことを記念し、開催致します。


8月23日(火)~27日(土)

11時~19時

期間中無休


“Did I Dream You Dreamed About Me”


薄暗いギャラリーに入ると、“This Mortal Coil”というバンドの演奏で初めて聴いた曲を歌う私の声を耳にするでしょう。この歌は、ある水夫とセイレーン*の沖合いでの出会いを歌っています。水夫はセイレーンと添い遂げる事を望み、それが出来ずにもだえ苦しむよりも愛のために死を選ぼうと悩みます。


この作品では二つの要素が連続して奏でられます。一つは、無伴奏の歌。もう一つは、空間の中で反響するビブラフォンの共鳴音。ビブラフォンの低くなっていく幻想的な音階は、セイレーンの妖艶さに取り憑かれていく水夫を表現しているかのようです。ギャラリースペースに響き渡るその音は、空間の空虚さを強調し、広大な海を一人彷徨う水夫の孤独感と混乱を想起させながら薄暗い空間と一つに重なり合います。


逃避の手段ともなり得る音楽は時として我々をその場から動かすことなく、異なる場所や時代、どこか遠い国へと導きます。しかし反対に誰かが一人密かに歌う声は、我々に今存在する場所を認識させつつ、自我の意識を高めることができるのです。


―スーザン・フィリップス


※セイレーン:ギリシャ神話などの似登場する伝説上の生物。ギリシャ神話では上半身が人間の女性で下半身が鳥の姿をしている。海の航路上の岩礁にいて美しい歌声で航海中の人を惑わし、遭難・難破させる。