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青山悟 「Crowing in the studio」(TOKYO)

2007年10月17日(水) - 11月17日(土)

1973年東京生まれの青山は1998年ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科を卒業し、2001年シカゴ美術館附属美術大学でMFA(Fiber and material studies)を取得。十数年間の海外生活の後、現在は拠点を東京に移して活動しています。


 


2005年のミヅマアートギャラリーでの個展以降、若手イギリス人作家によるグループ展“Souvenir Mine”のキュレーションや、2007年4月にロンドンのOne in the Otherで行われた個展を通して、お土産物の聖母像、りんごの置物や造花のバラなどの“偽物”のイメージを伝統的絵画の構図に落し込み、あたかもそれが荘厳な宗教画であるかのように見せる等、価値の変換を試みながら見る者の視線を刺繍作品の表層からその先へと促しました。また、イタリアのトリノで行われた“Alllooksame? ARTCHINAJAPANKORAART”(キュレーター:Fransesco Bonami)展へ参加するなど活動の場を広げています。


 


本展では、作家のスタジオの様子を描写した、これまでの手法を受け継ぐ精密な静物画、数十枚にわたるミシンによるラフなドローイング、また友人である作家倉重迅との共作アニメーションを展示いたします。壁一面を埋め尽くすドローイングはこれまでとは異なるアプローチで制作され、作家の表現の幅を広げながら、静物画、青山初のアニメーション作品と供にインスタレーションを構成する要素となっています。


 


インターネット等に代表されるテクノロジーの発展により私達の生活はより便利になり、多くのことが日々迅速且つ合理的に処理されていきます。しかしテクノロジーへの依存が高まるにつれ、人間が元来持ち合わせていた独創性や感受性が失われつつあるのでは、と作家は言います。産業革命が生んだ大量生産のための最古のテクノロジーの一つである工業用ミシンを用いて丹念に縫い上げられた作品の表面は、コンピューター等のピクセル表現にも似ており、現代人のスピードと合理性への追求を批評しているかのようです。


 


Crowing in the Studioでは作品制作のプロセスを明確に伝えることにより、社会やアートにおけるテクノロジーと伝統についての問題提起を促しながら、今までにないイマジネーションに任せたドローイングの要素を取り込む等、作家個人のアイデンティティについても言及しています。作品の端々に登場するカラスを追いながら、始まったばかりの青山悟の新たな試みをお楽しみ下さい。


 


※ トークショーのお知らせ ※


 


10月27日(土) 19:00から


場所:ミヅマアートギャラリー


東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル 2F


03-3793-7931


 


ゲスト:


小崎哲哉(ARTiT編集長)


窪田研二(インディペンデントキュレーター)


天明屋尚(作家)


 


料金:500円(1ドリンクつき)