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O JUN 展 「O JUNの山」(TOKYO)

2010年03月24日(水) - 04月24日(土)

ミヅマアートギャラリーでは2010年3月24日から4月24日までO JUN個展「O JUNの山」を開催致します。


 


昨年10月にミヅマ・アクションで開催された森淳一との二人展「痙攣子」も記憶に新しいO JUNですが、2010年は「絵画の庭-ゼロ年代日本の地平から」(国立国際美術館、大阪)への参加、「アーティストファイル2010-現代の作家たち」(国立新美術館、東京)での鉄フレームに入った作品で壁一面を埋め尽くすインスタレーション、また来る6月にはリトアニアのthe Vilnius Painting Triennialに招聘されるなど、その活動は国内外においてますます注目されています。


 


過去には紙にガッシュやパステル等の素材を使った作品を多く制作してきましたが、本展ではこれまでまとめて発表する事のなかった油彩の新作を中心に展示致します。メインとなる200号のキャンバスを上下2枚組み合わせた大作では平面へのこだわりはそのままに、絵画的手法や画材を変えるなど実験的なアプローチによって現れるモチーフの表情の変化に着目しつつ、その背後に隠された真相を暴き出します。


 


「作品は明るさや光が吟味されたもの」と語るO JUNのこれまでの作品では、ニュースや新聞で目にした事件や光景に由来するモチーフが明るい色で描かれており、その不穏な存在感が作品の一つの特徴であるとも言われてきました。今回の試みでは作品表面を暗くし、コントラスト、配色、混色、配置の妙など絵画を成立させる為のポジティブな要素を排除した上で、より輝く作品の実現を図ります。


 


また、柳田國男の「山の人生」の世界観が作品に影響しているという作家の、タイトルにその名を冠したドローイング群を小部屋に展示いたします。急に翳ったかと思えば光が当たる、木立うっそうとする山。海のようにはっきりと二分できない山と、そこに生きる様々な生業につく人々、山に姿を消した人々などの記録は、神秘や空想の世界よりもはるかにもの深い隠れた現実を露呈します。O JUNはそうした山の存在に自分自身を重ねているのかもしれません。山の起伏と自身の作品の起伏を重ねるように。


 


作品の明度を追求し、平面上のズレに悠々と身を任せるO JUNの作品世界をぜひご高覧ください。