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宮永愛子「1900-2025 : Souffle de lumière」@Le Clézioギャラリー、パリ

2025年02月06日(木) - 04月06日(日)

1900年に建てられた邸宅の1階と2階を舞台に、パリのLe Clézioギャラリーで宮永愛子のフランス初個展「1900-2025 : Souffle de lumière」が本日2月6日より開催されています。

 

「実家の工房に今も積み重ねられているリンゴ箱、ものごころついたときにはすでにそこにあった。なかには石膏型が入っている。久しぶりにのぞいてみると、「うさぎ未胴」「寝寅尻尾」「猫耳ナシ」…と識別のためにテープがついていて少し整理された痕跡があった。これらの名前は、私の父や兄、そして東山窯を研究している人たちが何年もかけて分類した痕跡である。

 

この石膏型は曾祖父の初代宮永東山が、陶彫家の沼田一雅と取り組んだセーブル式の石膏型だと父に教わる。フランスのセーブルに沼田一雅が学びに行った当時の最先端の方法だ。白い塊に眠る不在の空間を想像すると、その時代の気概、夢や憧れが重なり、眠っているかたちを見たくなった。このくぼみに今の空気を含め、液体のガラスを湛えてみた。湛えることは、過去に会いにゆくような行いで、とりだした無垢の重さは過去が会いに来てくれたように感じた。

 

私は曾祖父が陶芸家になる前にここで過ごした1900年当時のことは、残された持ち物や資料から想像するだけで、ほとんど何も知らない。けれども、20世紀の幕開けをここで体感した曾祖父の気持ちを重ねながら街を歩くと、現在の空気をとじたこのガラスに、パリの景色が映るのがとても楽しみになった。京都でずっと眠っていた不在の形は、巡り巡ってこの場所で、過去、現在、そして未来へと確かに結ばれていく。」 - 宮永愛子

 

<会期> 2025年2月6日(木)~4月6日(日)
<開廊時間> 11:00〜19:00
<休廊日> 月曜日、火曜日
<会場> Le Clézioギャラリー、157 Rue du Faubourg Saint-Honoré、75008 パリ、フランス

 

https://www.lecleziogallery.com/exhibitions/6-1900-2025-breath-of-light-aiko-miyanaga/overview/

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