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会田誠 展 「恋の前厄」(TOKYO)

2005年12月07日(水) - 2006年01月21日(土)

※12月25日から1月9日までは冬季休廊となります。


現代日本の美術における様々な表現方法を縦横無尽に行き来し、毒づき、撹乱し、ゆえに見たこともないような最新の芸術を生み出す作家、会田誠。本展には、ここ一年の間に国内外の美術館で発表されたものの、東京では初見参となる作品が多く登場します。


 


今年始め福岡アジア美術館で開催された「Animate。」展のために制作し、ソウルにも巡回した「ボク、169ページのマンガを描いたよ!」と、自殺大国日本の中でもここ数年数が増え続けている練炭自殺の事件を元に制作、ロンドンでの個展で発表した「名称未設定」といった平面作品などは、単なる平面作品としてではない、「ちょっとありえない」方法で展示されます。


 


また、ここ数年会田が講師を勤めてきた美学校の教え子の一人・加藤愛との共同制作「愛ちゃん盆栽」は、今年G.W.に大原美術館の別館である有隣荘で10 日間のみ展示された幻の立体作品です。人工的に小さく作られた盆栽の凝縮された美の世界。手を入れれば入れるほどに、小さく美しい状態を保つことができます。その盆栽を愛でる人たちと視線を同じくした、会田の美少女への偏愛が小さな世界で繰り広げられています。いつかは少女から成熟した大人の女性に育ってゆく生身の女性を、自分の望みどおりの「少女」につくりあげ、手入れすればその状態以上を永久に保つことができる「愛ちゃん盆栽」は、まさにロリコン趣味の真骨頂ともいえるでしょう。


 


盆栽には「老いらくの趣味」という観念がついてまわりますが、会田も、恋愛・自身のキャリア等様々な意味や場面でそのような心境になりつつあるのかもしれません…。また、逆にそこまで自分の内なる時計を進めてしまいたい、そんな気分なのかもしれません。


 


また会場には新作・近作の映像作品も展示します。その中のひとつ、日本という平和な国に潜入したという設定のビンラディンを、自らが演じた「The video of a man calling himself Bin Laden staying in Japan-日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ」(ロンドンで発表)は会田の今の気分を如実に映し出した作品です。ビンラディンに扮した会田は、こたつに入り、お酒を飲みながら「私を探さないで」といいます。自分はテロリストを辞めたともいいます。自分(ビンラディン?)を憂いてつぶやく姿には哀愁さえ感じます。


 


新作映像作品では、「一人デモマシーン(サラリーマン反対@麹町)」「おにぎり仮面の小さすぎる旅」を展示予定です(サンフランシスコのリサデントギャラリーでも同時期開催)。


 


本展覧会はミヅマアートギャラリーでの会田誠2年ぶりの個展となります。タイトル「恋の前厄」とは、はたしてどうなってしまったのでしょうか。どこかで聞いたことのある…思った方、間違いではありません。巷で話題のマイアヒ~マイアフ~の、あの「恋のマイアヒ」。この曲の持つ疾走感と共に打ち出される、人をたきつけるような焦燥感。そしてそこに「どうでもいい」おばか感が入り混る。このなんともいえない、やりきれない感覚。前厄を目前にした男の、一山登って登って、しかし登りきらないそこに見える風景とはどういうものなのでしょうか。本展はそんな苦悩ときらめきにみちた展覧会となります。


 


 


【関連イベント】


 


会田誠の全映像を公開!「会田誠の映像ダヨ!全員集合!!」


日時 1月21日(土)11:00~17:00


会場 ミヅマ・アクション(5F) 入場無料


 


会田誠トークショウ


日時 1月21日(土)17:00~


会場 ミヅマアートギャラリー 参加費:¥500(1ドリンク付)