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KYOTARO展 「天界トリップ」(TOKYO)

2008年07月09日(水) - 08月09日(土)

これまでKYOTAROは漫画やアニメーション、広告の分野をはじめ幅広い活動によりその名を知られてきました。


 


―絵を描くことで様々な世界とつながることができる!―


 


彼女の絵と、それを必要とする人たちの間に生まれるつながりがまた新たなつながりを生みだします。この度の個展でKYOTAROが描き出したのは、彼女をはじめ、きっと私たちの間にもつながっている「神様」たちの姿です。


 


2004年に出版した絵本「The Baby Shower Story」や螺旋状に進行する物語「I SAW A LOT OF FAIRIES」において見られる、動物や妖精たちの豊かな表情や仕草はここにありません。今展の作品中に静かに息づくその存在は物語性を離れ、ただこちらを超然と見据えているのみです。


 


ある日近所の神社にお参りした日の夜、夢に出てきた不思議な生き物。その存在に形を見つけ出し、形を描き与えたことから今回の作品群は生まれました。KYOTAROが描き出す形は「龍」、「天馬」、「天狗」など象徴的な存在の姿を取ります。龍をはじめ世界中の神話に少しずつ姿を変えながら遍在するこれらの存在は、言語や文化を超えて人類が共有するイメージとなっています。人類が揃って幻視してきた不思議な存在。彼らは私たちに何を伝えているのでしょうか、私たちは彼らから何を見出そうとするのでしょうか。


 


集落と集落、大陸と島々がお互いを見出せなかった時代ですら、人類はこれらの存在を同時に視ることで、確かにつながっていました。私たちはつながっている。たくさんの目で違ったものを見て、しかし、同じものを見ている。


 


世界はつながっていて 全員が運命共同体だということ


進化の途中にあって まだまだ可能性を秘めているということ


まったく新しい次元のことを常に生み出し続ける義務があるということ


 


つながっている


目を覚ませ


生きろ


 


KYOTAROが「神様」たちから常に感じているというこれらのメッセージは、彼女自身が作家として、人間として歩む理由をそのまま説明しています。


 


今展において、KYOTAROを媒介として形を得た意志、もしくは方向性といった力が、この世界で生き続ける私たちの歩みを助けるサインとなり、あらたなつながりとなることを願ってやみません。