倉重迅 展「Hollow Point」(TOKYO)
2009年06月12日(金) - 07月11日(土)
6月12日よりミヅマアートギャラリーにて倉重迅展「Hollow Point」を開催いたします。約2年振りの東京での展覧会となりますが、その間シドニービエンナーレ「REVOLUTIONS- FORMS THAT TURN」、ソウルのGallery LOOPでの「Move On Asia 2009」に参加するなど国内外で活躍の場を広げています。
近年、CMやプロモーションビデオなど、アートとは異なる環境の中で映像制作に携わる機会がある倉重は、アートという独特のフィールドに於ける映像表現の可能性を再考察するに至りました。
本展は、新作インスタレーション2点で構成されます。「Tank and Potted Flower」は、展示スペース内に 「何か」を形成するのであろう大量のパーツが並べられ、ただそれを眼にするだけでは鑑賞者にはその「何か」は分かりません。そして壁にはテレビモニターが掛けられ、観客はその小さな映像の中においてのみ、その「何か」を認識することができます。鑑賞者は虚像(映像)をたよりに実像(パーツ)から想像力を働かせ、各々がそこには存在しない大きな立体作品を見ることとなります。
展覧会タイトルの「Hollow」とは、空洞の、虚ろなという意味をもち、本展で作家は「単一としては意味を持ち得ない虚像と実像が、ある危ういバランスで成立する交点」を追求しています 。またホローポイント弾という、先端が凹んでいて命中すると弾が変形し拡張する銃弾に喩え(貫通能力に乏しいが体内での破壊力がある)、鑑賞者が作品を前にした時、そのファーストインパクトだけではなく、その奥に存在する第2、第3の要素を体内で消化し、考察を深めてほしいという作家の思いも込められています。
また90x90cmの箱庭で繰り広げられるサスペンスタッチの新作「The Cliff」でも、虚像と実像との交点を描き出します。
ぜひご来廊賜りますよう、宜しく御願い申し上げます。