ミヅマアートギャラリーでは7月11日(水)より岡田裕子展「No Dress Code」を開催いたします。
近年、写真やビデオ、インスタレーションを中心に発表を続けてきた岡田が、本展では絵画と人間の身体性をテーマに、とりわけ「描くこと」「造形すること」について探求します。
現代において、美術の表現技法は非常に多岐に渡り、そこからチョイスできる方法は限りなく選択肢にあふれています。そんな時代だからこそ、<描くことと人間の関係><絵画の再考>に彼女なりの思いを込めて新作の制作にあたりました。
「平面絵画」のために15世紀以降使用され続けているキャンバスを、いまいちど「布」としてのイメージに還し、人間の身体に密接な、下着のような、衣服のような、とりとめないルーズな物体が形作られました。2次元の平面の中で3次元的な世界を構築する、スタンダードな絵画性のルールを、支持体として崩します。
そもそも表現というものは、普段着ている服を脱いでその一枚皮の下の内面を見せるような行為だと岡田は捉えます。それで鑑賞者と作者が一歩にじり寄り、何かが生まれてくるのではないか、と。
展覧会タイトル「No Dress Code」は、新作のモチーフである下着や衣服を彷彿とさせるビジュアルに因んだものですが、そもそも絵画には本来ルールはないもので、それを描く人間も選ばず、描きたいものが描くのみ。ドレスコードなし=指定や規定なし、という意味合いが込められています。