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大和日英基金アートプライズ受賞記念展 
ケイト・グルービー「Pure Pleasure」(TOKYO)

2018年09月12日(水) - 10月13日(土)

ミヅマアートギャラリーでは9月12日(水)よりケイト・グルービー展「Pure Pleasure」を開催いたします。

ケイト・グルービーは1979年英国リーズ生まれ、現在ヨークシャー及び南フランス在住。オックスフォード大学ラスキン・スクール・オブ・アートにて学士号を取得後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程にて絵画を学びました。2009年から3年に一度行われている大和日英基金アートプライズの歴史の中で、本賞を受賞した初の女性作家となります。


 


ケイト・グルービーは人との出会いや、共に過ごした時間から生まれる関係性をテーマに、絵画制作・パフォーマンスを行ってきました。特にこの3年間は自分自身、友人、またはパートナーをモデルとしてキャラクターを創造し、個人的な経験を作品の中に描き出してきました。その対象はとても個人的なものでありながら、制作プロセスを経て、誰もが共感できるような性格や感情、例えば、恐れ、完璧さ、憎しみ、勤勉さ、臆病、喜びなどを備えたありふれた人物像へと変容していきます。


 


その制作は、日記のようなドローイングや水彩の習作を元に、床に置かれた大きなキャンバスの上を、文字通り横断しながら描いていきます。まさに自分の体を伸縮させて動かす絵筆からは、身体に沿った自然な形が表情豊かに生みだされます。


 


本展は、「Pure Pleasure」(純粋な喜び)と題したシリーズで構成される予定です。2年前にパートナーの女性との海外放浪中、滞在先のロサンゼルスで観たピカソの「Man and Woman(男と女)」と題したペインティングに触発されたことが制作のきっかけとなりました。


 


その時のことを作家は「絵画史の中で描かれてきた女性像は、男性の性的目線を通して描かれたものか、もしくは自画像であり、女性の性的視線を通して女性の恋人を描くという隠された視線に関心を持った」出来事だったと語っています。そこから、作家のパートナーを被写体としたヌード、肖像画の制作が進められました。


 


さらにその制作は、セットとしての背景を描き、布に裸体を描いて衣装とし、自ら作曲した音楽を使って寸劇を演じるというパフォーマンス映像として昇華され、平面としての肖像画に命が吹き込まれるかのように、作家の身体を通してしなやかに、生き生きと展開されていきます。


 


伸びやかに描かれた線と、ユートピア的とも言える眩しい色彩が織りなす展示空間に身を委ねた時、まさに触れんとする肉体の感覚が無防備な鑑賞者の喜びを誘発するかもしれません。

ケイト・グルービーのアジア初となる本個展を是非ご高覧ください。


 


[関連イベント]


オープニングレセプション


日時:9月12日(水)18:00 – 20:00


会場:ミヅマアートギャラリー


ケイト・グルービーと大和アートプライズの審査委員長ジョナサン・ワトキンス(Ikon Galleryディレクター)もこの日のために来日いたします。


 


アーティストトーク


出演:ケイト・グルービー、片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)


日時:2018年9月21日(金)18:00 –


会場:ミヅマアートギャラリー


予約不要


 


主催:大和日英基金、ミヅマアートギャラリー