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天明屋尚展「国津神」 (TOKYO)

2019年02月27日(水) - 03月30日(土)

ミヅマアートギャラリーでは2019年2月27日(水)より天明屋尚展「国津神」を開催致します。


 


これまで戦国時代のバサラ大名や江戸時代の傾奇者、現代のストリート文化といった日本の祝祭的な美の系譜を取り上げてきた天明屋尚。その天明屋が今回、モチーフとしたのが「国津神」です。国津神とは、高天原から天降った神々である天津神とは対置され、豊葦原中国(とよあしはらのなかつくに)に生まれ、古来から日本の地に土着する荒ぶる神々です。


 


作家の実に2年ぶりの個展となる今展では、天明屋が創造した風神、雷神、雪神、雨神、虹神、海神、山神、火神の8つの神々が展示されます。各神はそれぞれ神獣や雲に乗り来訪する神であり、此岸と彼岸の理を超越した目に見えない霊的存在、即ち鬼として描かれます。会場中央の奥には神社の御神体に着想を得た立体作品も設置。古代の神々をモチーフとした作品8点と御神体を配置することで、神社仏閣のような日本の伝統的な神聖空間を援用。通常、芸術作品を祀ろうホワイトキューブを、神仏を祀ろう抽象空間へのオマージュ、憧憬として上書きするアンチ・サイトスペシフィックな展示となります。


 


西洋芸術が流入する以前の日本の伝統では、平安時代の仏画や厄除けの神を描いた江戸時代の鐘馗図などの例を挙げるまでもなく、神や絵を祀る行為はしばしば一体のものでした。現代では、神と芸術を分離する「神殺し」が行われ、以前は神が位置した座標に芸術が置かれたわけですが、果たして我々はかつての人々が神や絵を信仰したほどに芸術を信望しているのでしょうか? 神と芸術の価値をめぐる思索、西洋と東洋における芸術観の違い、文明批評やアニミズムに対する目配せなど、天明屋らしいポップで陽性のスケールの大きさを感じさせる今展を是非ともご高覧ください。