ジュン・グエン=ハツシバ「While I am Dead - A Prelude to Life(死の間 – 生の気配)」(TOKYO)
2021年10月20日(水) - 11月20日(土)
開廊時間:12:00 – 18:00
休廊日:日、月、祝
※「アートウィーク東京」開催中の11/4-11/7は10:00-18:00開廊
ミヅマアートギャラリーではジュン・グエン=ハツシバによる11年ぶり、6回目の個展を開催いたします。展覧会タイトルである「While I am Dead – A Prelude to Life(死の間 – 生の気配)」は、作家がアートの表舞台から離れ、孤立していた7年間を物語っています。
1968年に東京で日本人の母とベトナム人の父の間に生まれたハツシバは、世界中の政治的、そして経済的な難民の葛藤や懊悩をテーマにしたシリーズ「メモリアル・プロジェクト」を発表し続け、多くの国際展に参加し、注目されました。
アート業界から離れた時期は、輝かしいキャリアを築いた17年間のベトナム生活を終え、アメリカに移住する決断をしたタイミングと時期を同じくしています。ヒューストンに拠点を移した今、「移民として、アメリカ人の親として、まるで亡き父親の生活を体現しているかのようだ。それはまるで、竜宮城というベトナムから戻ると、現実では長い時間が経っていたという浦島太郎のような感覚に似ている」とハツシバは語ります。
本展のメイン作品《While I am Dead – A Prelude to Life》は、200枚以上のモノクロ写真がギャラリーの壁一面に広がるインスタレーションです。自身の住むヒューストンでの日常風景、自宅内でのパーソナルな日々の考察、パンデミック前の東京の旅先、また劇場の舞台カメラマンやスポーツカメラマンとして撮影した写真が一堂に会します。
鑑賞者はその写真群から一枚選び、自分の日常の写真と<交換>をすることができます。参加者は作品を持ち帰り、参加者の写真は作品の一部としてそのまま会場に展示されます。それは、深い思考の時間や経験、自身の物語や、まさにこの瞬間を共有することであり、この交換によって静かに対話をすることで、自分の置かれた状況の慰めや救いになることでしょう。「写真を撮ることは、人生のセラピーである」と作家は言います。それが年代記として、作家と参加者のすべての個人的な交流の記録となることを願います。
また本展では作家初の写真集から厳選された写真も展示いたします。
ハツシバが「死の間」に経験したとても個人的で美しい時間を、多くの皆さまと共有できましたら幸いです。
「これらの写真群は、セルフ・ポートレートと捉えることができるだろう。それは冬眠のひと時であり、光と闇とを目撃しながら眠っている状態であり、アーティストとしての生が消えゆく瞬間である。カルマが私を次の場所へと導く時、私は生の気配の微かな痕跡を残して、形のない存在であり続けようとしている。」
ジュン・グエン=ハツシバ
*会場内にプリンターを設置いたしますので、スマートフォンからの印刷が可能です。もちろん写真を持参いただくことも大歓迎です。
作家との対話は、1回1枚のみですので、是非何度も会場に足を運んでみてください。
ご持参いただく場合の写真の詳細はこちらをご覧ください。
今回の展覧会を3Dウォークスルーでもお楽しみいただけます。
下記リンク先よりご覧ください。
https://my.matterport.com/show/?m=xkJS6AwqC3u