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アリ・バユアジ「海の音」(TOKYO)

2025年04月09日(水) - 05月07日(水)

ミヅマアートギャラリーでは、2025年4月9日(水)より、インドネシアのアーティスト、アリ・バユアジの日本初個展 「海の音」 を開催いたします。


 


モントリオールとバリ島を拠点とするバユアジ(1975年、インドネシア・モジョケルト生まれ)は、海岸で拾い集めた素材や既製品を巧みに取り入れたインスタレーション作品で知られ、その土地にまつわる物語や歴史的記憶、そして環境問題に対して独自のアプローチで作品を展開しています。バユアジの作品は世界各地で発表されており、これまでにシンガポール、台北、サント・アルヴェール、デュッセルドルフ、シドニー、バンコク、ワシントンD.C.、トロントなどで大規模な個展を開催してきました。またモントリオール美術館や、ケベック国立美術館にも作品が収蔵されています。


 


2020年、バユアジはバリ島サヌール近くのマングローブの根に絡まったプラスチック製のロープを発見したことをきっかけに、地域密着型のアートプロジェクト 《Weaving the Ocean》 を立ち上げました。彼はバリに住む職人たちと協力し、廃棄されたプラスチックを鮮やかな色の糸へと生まれ変わらせ、繊細な織物として昇華させました。このプロジェクトは、持続可能な収入源や教育の場として発展し、現在では15名以上の人々が複数の地域で活動に参加しています。また、釜山、シドニー、モントリオールなどでワークショップを開催し、プラスチック廃材をアートへと再生する手法を広めています。


 


今回の展覧会は、幼少期から日本文化に影響を受けてきたバユアジにとって特別な意味を持ちます。「亡き父は、日本の芸術について教えてくれました。”人生において大切なことは、誠実さと思いやりを持ち、その課程の一歩一歩を愛おしむことだ” という父の教えは、日本の芸術の創造過程にも通じるものだと思います」と彼は語ります。また、10歳の頃に盆栽に触れた経験では、忍耐強く丁寧に手を加えることで生まれる洗練された美しさへの敬意が培われたと言います。バユアジは「日本の皆さまには、私の作品が見た目の美しさだけでなく、職人の精神や素材への敬意といった面からも、日本文化と深く結びついていることを感じていただきたい」と願っています。


 


本展「海の音」 では、海辺に打ち捨てられたプラスチック廃材を用いた、大きな織物作品や、拾い集めた素材を用いた彫刻作品、ミクストメディア・インスタレーション作品など、多彩な表現をご紹介いたします。自然、伝統、そしてサステナビリティが交差する、バユアジの力強い世界観を、日本での初個展を通じてぜひご体感ください。