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ジム・ランビー展 「P.I.L.」(TOKYO)

2006年04月12日(水) - 05月13日(土)

今回が日本で初めての個展となる本展では、ミヅマアートギャラリーと同ビル5階に昨年の夏オープン致しました新スペースミヅマ・アクションの二会場での同時開催を予定しております。


 


1964年グラスゴー生まれのジム・ランビーは90年代後半から多数の国際的な展覧会で発表を始めました。昨年はイギリスの「ターナープライズ2005」にノミネートされる等、現在国内外で最も注目を集めている若手作家の一人です。また、バンド The Boy Hairdresserのメンバーという経歴を持ち、現在もDJやバンド活動を行うかたわら旧友である Primal Scream のファーストコンピレーションアルバムのジャケットを手がけるなど、ミュージックシーンとも密接な関係を持っています。そうしたバックグラウンドをもつジム・ランビーは、日常生活やポップカルチャー、音楽を多く引用し、ファウンド・オブジェクトやチープな素材をモチーフに、空間や身近なモノを豊かに変容させた作品を作ることで知られています。


 


ミヅマアートギャラリーでは、彼の代表作の一つである作品「Zobop」で会場をおおいます。「Zobop」とは、何色もの蛍光ビニールテープを展示スペースの床一面に隙間なく貼りめぐらし複雑で幾何学的な模様を作り出すというサイトスペシフィックな作品です。そのサイケデリックな空間に、竹にカラフルな糸や針金でぐるぐるに巻きつけ写真やコーヒーカップの破片等の小物を中に入れた、まるでお守りのようなシャーマニスティックなオブジェ「Psychedelic Soul Stick」や、再構築されたドアの彫刻作品、ミュージシャンのシルエットを切り抜いたロールシャッハ的作品などが配置され、会場をダイナミックかつ魅力的な彫刻インスタレーションに仕立て上げる予定です。特定の空間との関係性から考察されるランビーの作品は使用される素材の性質と場と同調するために直感的かつ即興的な判断により形づけられています。こうした作品はただ単に視覚的混乱を生じさせるだけの空間が演出されているのではなく「ジャズで言うならば床のビニールテープがベースラインを奏でるベースとドラムで、その上に配置される作品はギターやヴォーカルのようなもの」と作家自身が語っているように形式的な鋭さと絶妙な調和があります。


 


そして、5階のミヅマ・アクションでは東京での現地制作作品が展示される予定です。優れた洞察力を持ジム・ランビーは、私たちの日常、そして東京という複数の文化が常にめまぐるしく変化しながらも勢いを失わずに共存するこの大都市に対し、何を感じ、何を選び、そして何を作りだすのでしょうか?


 


「東京」と「ミヅマアートギャラリー」という特定の場所と空間からどのような視覚と想像力を刺激するサプライズが発生するのか。ぜひ楽しんでいただければと思います。