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天明屋尚展「闘魂」(TOKYO)

2008年10月15日(水) - 11月15日(土)

ミヅマアートギャラリー(2階・5階)では2008年10月15日より2年振りとなる天明屋尚展「闘魂」を開催いたします。


 


天明屋尚は日本の伝統美術の描法や要素を用いながら当世社会を諷刺する作品などで知られています。伝統の技術や思想の原点または発展過程に着目し、それをアイロニーをこめて現代の世に表現するという、その一貫した制作姿勢が多くの人を引き付けてやまない作家です。近年は国内外での展覧会のほか、2006年FIFAワールドカップ公式アートポスターの制作、松本人志監督映画「大日本人」の刺青デザイン、日本経済新聞朝刊での連載小説挿画、2009年第12回IAAF世界陸上競技選手権ベルリン大会公式アートエディションへの参加など、活動の場を限定することなく様々な分野で作品を発表しています。


 


本展では中心となる横3メートルの大作など未発表作品を含む計8点の新作を発表いたします。


 


5階スペースでは2007年8月6日から約1年間、日本経済新聞朝刊で連載された(2008年8月現在連載中)北方謙三氏による小説「望郷の道」の挿画原画を展示いたします。登場人物の心の機微を細やかに捉えたその原画の数は約400枚にものぼり、天明屋の新たな側面を垣間見ることができます。本展では雲肌麻紙に墨で描かれたそのいくつかを、新聞紙面とはまた異なる新たなかたちで展示いたします。


 


婆娑羅、傾奇者など西洋文化の影響を受ける以前に培われた日本独自の美学と、天明屋尚の美意識が混ざり合って生まれた新作には、どこか嵐の前の静けさのような張り詰めた静寂が漂っています。ぜひ御来廊いただき、直に作品をご覧いただければと存じます。