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池田学 展(TOKYO)

2008年11月26日(水) - 2009年01月17日(土)

2008年11月26日よりミヅマアートギャラリーにて池田学展を開催する運びとなりました。池田学は1973年佐賀県生まれ、2000年に東京芸術大学大学院修士課程を修了し、01年「第4回はままつ全国絵画公募展」にて大賞を受賞。2006年のミヅマ・アクションにおける初個展では大作「興亡史」で観客を圧倒させ衝撃的なデビューを果たしました。同展覧会が反響を呼び、その後イタリア(トリノ)、ドイツ(カールスルエ、ベルリン)、カナダ(ハミルトン、ビクトリア)等の美術館のグループ展に参加するなど海外にも活動の場を広げています。


 


ここ数年、ますます人気の高まる池田学。期待される本展では彼にとって今までで最大のサイズとなる190x340cmの作品に挑みます。


 


池田学は大学の卒業制作以来、一貫して紙と丸ペンを使った細密画を描き続けています。細いペン先から紡ぎ出される文明と自然の融合した物語には、池田の純粋な好奇心と豊潤な想像力を見て取る事ができます。電車が瓦屋根や空の上を走り、自動車は樹木のトンネルで渋滞に巻き込まれ、0.5センチほどのサイズで描かれた人々はクライミング、サーフィン、ときに工事現場のような場所で働いていたりします。鳥や飛行機が空を飛び、空想上の生き物は物陰に密かに隠れています。下描きをせずにその時々の感覚で描かれるシーンには軽快なユーモアが溢れ、池田は日にこぶし大程しか進まないという驚くほど緻密で忍耐を要する手法を用いて、日々日記のように描きながら積み重ねていきます。


 


そして画面全体を見渡すと、増殖した細部はひとつの巨大な造形物となります。細密画というだけではなく、ミクロとマクロの世界を同時に創造する建築的な視点と構成力の高さも、池田の独自性を特徴付けるひとつの要素と言えるでしょう。


 


過去に、舟(「再生」 2001)、巨樹(「存在」 2004)、天空の都市(「方舟」 2005)、城(「興亡史」 2006)をテーマとして作品を描いてきましたが、新作は大波から出現した、あるいは津波・氷河に飲み込まれようとする文明が描き出されています。


 


池田にとって画面上に描かれた世界は、頭の中にある物語の一場面に過ぎません。常にイメージを立体的に捉える彼の想像の世界は画面には描ききれない建物の裏側や部屋の中へと続き、終わりなく無限に広がっていくのです。


 


是非、池田学の独創的な物語とそれをかたちにする技術を皆様にご高覧いただきたく思います。