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青山悟 展
「Glitter Pieces #1-22:連鎖/表裏」(TOKYO)

2009年03月11日(水) - 04月11日(土)

2009年3月11日より青山悟個展『Glitter Pieces #1-22:連鎖/表裏』を開催いたします。


 


1973年東京生まれの青山は1998年ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科を卒業後、2001年にシカゴ美術館附属美術大学で美術学修士号を取得し、現在は東京を拠点に活動しています。近年の活動にはロンドンのOne in the Otherでの個展(2007)や巡回中の『ネオテニー・ジャパン-高橋コレクション』展、ZAIMでの『THE ECHO』展(2008)への参加があり、またイギリス人作家によるグループ展『Souvenir Mine』(2006)のキュレーションを手がけるなど多岐に渡る活動が注目されています。その作品は古いアイリッシュ・ミシンによる細密な刺繍で知られており、身の回りの風景やオブジェクトを写真に取り、その像を丹念にオーガンジーに縫いこんでいくという作業を通して、対象の持つ意味や価値の変換を試みます。


 


『Glitter Pieces #1-22:連鎖/表裏』と題された本展では、主に紙媒体から個人的興味に基づいて選択したイメージを黒糸とメタリック糸で刺繍した作品22点を展示致します。本来の色情報を破棄し、光る糸を使うことで浮かび上がった新作は、イメージが意図していたはずの意味を消失させ、またその表面は無機質なデジタルピクセルを思わせると同時に、手作業でしか得られない質感を生み出します。


 


展覧会タイトルにもなっている作品「Glitter Pieces」#1から#14は2008年に横浜のZAIMで開催された『THE ECHO』展で、作品それ自体とイメージの持つ意味を文字通り宙吊りに連鎖しながら展示され、新たな展開を見せました。本展で初めて発表する#15以降では、意識的に選んだ紙媒体の切り抜きの表面だけでなく、その裏面も作品にしています。


 


情報技術の発達により消費される大量のイメージと、それに対する特定の見方。テクノロジーがもたらす恩恵と、それと引き換えに人間が失っていくもの。産業革命が生んだ最古のテクノロジーの一つである工業用ミシンを用いて作家本人が丁寧に縫い上げた作品は、それ自体でイメージの意味を問い、また私達の現実の危うさを気づかせてくれるのかもしれません。