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熊澤未来子展「いったり、きたり」(TOKYO)

2017年11月01日(水) - 12月02日(土)

ミヅマアートギャラリーでは11月1日(水)より熊澤未来子展「いったり、きたり」を開催致します。


 


主に鉛筆による精緻で圧倒的な世界描写で知られる熊澤は、前回の個展「咆哮」(2015年)で自己最大の作品《鬼の子の木》を発表し、強烈な印象を残しました。熊澤は昨年より新たな試みとして独自の色彩表現に取り組みます。その第一作である《世界食紀行》は昨年度の菅楯彦大賞を受賞。今展では同作を含め、鮮やかな独自の色彩表現を試みた新作3点と、鉛筆によるドローイング作品を発表します。


 


都市の街並みや繁茂する植物、画面を埋め尽くす食べ物など、熊澤が描くのは私たちの生活をとりまく日常が変容した景色です。増殖や変形を繰り返すその奇妙な環境の中で、人々は疑問を抱く様子もなく平然とその状況を受け入れているように見えます。VRやARが私たちの生活風景の中で年々存在感を増し、演出されたSNSが事実として記録され続ける今日、実際の風景と現実の記憶との間にはしばしば感覚的なズレが生じます。熊澤作品におけるパンフォーカスで精緻に描写される細部と拡張を続ける風景、過剰な変形による構成などはむしろ、この時代において真摯で正確な世界描写の方法のひとつと言えるかもしれません。


 


新たな表現性を帯び、日常生活の様々な風景を描き出した作品を、ぜひこの機会にご高覧頂けますようお願い申し上げます。