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天野喜孝展「AURUM」(TOKYO)

2015年09月02日(水) - 10月03日(土)

ミヅマアートギャラリーでは2015年9月2日より天野喜孝展「AURUM」を開催致します。2013年の個展「TOKYO SYNC」に続き、ミヅマアートギャラリーでの二度目の個展となります。


 


天野喜孝は、15歳でアニメ制作会社タツノコプロに入社。「タイムボカン」シリーズや「科学忍者隊ガッチャマン」など数多くのキャラクターデザインに関わりました。独立後に手掛けた「吸血鬼ハンターD」の挿画や、特に「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラクターデザインは天野の名を世界的なものとしています。90年代後半以降、天野はその活動の中心をファインアートに移し、主に海外で活動してきましたが、熊本市現代美術館で2014年秋に開催された「天野喜孝展 想像を超えた世界」を皮切りに、日本の公立美術館での大規模な個展がはじまりました。現在同展は兵庫県立美術館に巡回し、国内においても改めてアーティストとしての評価がなされています。


 


展覧会名の「AURUM(オーラム)」とは、ラテン語で「金」を意味し、光り輝くもの、暁光を由来とします。自然界に広く存在し、魅力的な性質を多く持つ金と人類との関係は非常に密接で、太古より「技術」と「美」、「力」の象徴であり、人を魅了し続けてきました。錬金術に象徴されるように、科学と想像力の源ともなり、その極めて高い加工性や伝導性、耐腐食性などから、現在の工業技術においても重要な役割を果たしています。もちろん美術や工芸では、人類史の最初期から様々な利用がなされ、時代とともに発展を遂げています。


 


これまでの天野にとっても、金色は自作を彩る効果的な要素ではあったものの、今展に於いては素材とより直截な関係を結んでいます。物質として、あるいは光学的状態としての魅力は、デザインに収斂されない、複写不可能な唯一性を作品に付与します。視覚効果や科学的性質以上に、様々な心理的効果をもつ金は、天野の稀有な想像力を具現化させる媒介として、どのような新たな一面を私たちに見せてくれるのでしょうか。今展は絵画や陶器など、さまざまな手法の作品により構成され、多くの日本的な題材もその特色となっています。風神雷神図や百鬼夜行図、月に見立てた壷や中に秘密を内包した箱など、それぞれに輝きを含みもった作品の数々を、ぜひご高覧下さい。