江口綾音が台湾では初となる個展「糖衣の風景」を4月1日（土）より開催します。
＜作家コメント＞
糖衣の風景
ドーナツにかかっている砂糖のグレーズも、苦い薬の表面にコーティングされている砂糖も糖衣だ。私の描く絵も、一見して甘いお菓子のようなカラフルで美しい風景という表面を持つが、見る人により現実にも多々起きている困難も散りばめられているように映る。そのようなイメージで「糖衣の風景」というタイトルにした。
私は宮崎駿映画やハリーポッターシリーズのようなファンタジーの物語が好きだ。それらは魔法があったり、独特の世界のルールがあったりして一見私たちの世界とは大きく違っているように思える。しかし、その世界を知っていけばいく程、甘くキラキラして見えるそれは私たちの世界と同じ問題や苦味を包括していると気がつく。表面の砂糖のコーティングは、「死」や「病」「あらゆる差別」といったものを完全に排除した世界を目指すものではなく、それらを包括してもなお、より良く生きようとする人間の地道な努力の姿なのだと思う。
絵でも映画でも漫画でも、フィクションが私たちに与えてくれる力やインスピレーションは、やがてそれぞれの人の中で次元を超えて糧になる。自分がそうやって受け取ってきたものを、私もまた誰かに渡したいのではないかと思っている。
＜会期＞ 2023年4月1日（土）ー5月7日（日）
＜開館時間＞ 11:00 – 19:30
＜休廊日＞月曜
＜会場＞HIRO HIRO ART SPACE、台北市、台湾
https://hirohiroartspace.com/2023/03/23/eguchi-ayane-solo-2023/
