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Paul Johnson 'Sensitive Chaos'(TOKYO)

2008年03月08日(土) - 04月05日(土)

ミヅマアートギャラリーでは3月8日よりポール・ジョンソンの日本初個展を開催いたします。


 


1972年に生まれ、現在ロンドンに活動拠点を置くジョンソンの作品は、日本では2006年にミヅマ・アクションで開催されたグループ展”The Souvenir Mine”を通して初めて発表されました。2008年には本展覧会のほか、ワン・イン・ジ・アザー(ロンドン)での個展や今春リニューアルオープンするサーチ・ギャラリー(ロンドン)でのグループ展”New Britania”への参加を予定するなど、その活動が注目される若手作家の一人です。


 


ジョンソンは、精密かつ複雑なコラージュからなるポートレート作品で知られています。作家自身が着色し、切り取った小さな紙の破片の組み合わせによって構築されるその作品は、同時にペインティングの要素も持ち合わせています。


 


作品のテーマの中心は「Family(家族)」であると作家は言いますが、そこには通常私達が使う意味での「家族」のイメージはなく、むしろ仮想のコミュニティーを作り上げて行くことを目的としています。ジョンソンは自らの手でゆっくりと、丁寧にこの集団を生み出し、拡大させていきます。共通の思想や信念体系によって形成された集団は、各々が生み出すオーラによってその一体感を明確なものにしているともいえるでしょう。 


 


“Sensitive Chaos”展ではこれらのポートレートに、2007年にカムデン・アーツ・センター(ロンドン)でのアーティスト・イン・レジデンス中に制作したバナー状の作品を組み合わせるという、ジョンソンの初の試みも見られます。形の違う二つの作品は互いに影響し、作家はバナーを吊るすことによって「家族」のメンバーが存在可能な世界を生み出します。そして彼の手で作られた人々があたかもパレードをしているような、そんな様子を想像させます。さらに、バナーの裏面には別世界への更なる探求を促す入り口が存在しているかのようでもあります。


 


本展に併せてアートライターMartin Herbert(Frieze, Artforum Magazine)からの寄稿を掲載したジョンソンのカタログが出版されます。ぜひこの機会に併せてご高覧下さい。