KYOTARO展
「妖精たちの行く道-I SAW A LOT OF FAIRIES 2004-2010」(TOKYO)
2010年04月21日(水) - 05月22日(土)
4月21日よりミヅマ・アクションでは、2年ぶりとなる KYOTARO展 青木京太郎「妖精たちの行く道-I SAW A LOT OF FAIRIES 2004-2010」を開催いたします。
KYOTAROは雑誌のアートワーク、イラスト、広告、アニメーション、漫画といった幅広い分野の活動によりその名を知られています。前回 KYOTAROは、全て鉛筆によるモノトーンの凛とした静かなたたずみの中に、絶対的な存在感を持つ「神様」たちを描き出しました。一方今回は、2004年から彼女が描き続けてきた妖精たちの物語です。これまで使われることが少なかった色彩を用いて描かれた連作「妖精たちの行く道-I SAW A LOT OF FAIRIES 2004-2010」を中心とした構成となります。
今回の作品は、妖精たちが織り成す誕生と再生、そしてその営みを、表情豊かに描き出しました。生き生きと描き出された表情の中に、喜びや悲しみ、切なさが溢れ出し、私たち鑑賞者が実際に妖精の国にいるような錯覚さえ覚えます。
妖精たちは、柔らかく繊細な色鉛筆、水彩、アクリル絵の具を用い、色彩豊かに描き出されています。今までに無い柔和な線、全体的に淡く彩られた中に、彼女のほとばしる情熱を体感していただけることでしょう。そして、その「妖精たち」を眺めるかのように大きなキャンバスに天界の住人「シルル神」(*1) と「プレアデスの7人の姫」(*2) など、妖精の世界と共に天界の神々も展示予定です。
2008年は神様を、そして今回は妖精といった目に見えないものを題材にする KYOTARO。
彼女はこう言います。
「神界と妖精界はまったく別次元なのですが、同じ場所に同時に存在しています。この地球にはきっとたくさんの次元が混在しているのだろうと感じてなりません。人間だけの世界ではない気がしています。この星が本当にとてつもないかたまりだということ、全ては繋がっているということ、そしてそれを忘れないためにもたくさんの人に思い出して欲しいと願い、この絵を完成させなければなりませんでした。そして、常に新しい未来に毎秒突入し続けている私たちを認識することが出来れば良いなと願います。」
神様たちが、力強くそこにいたのに対し、妖精たちは実に表情豊かにいきいきと暮らしています。今回の24枚の連作は、最後の作品が、最初の場面に戻る構成となります。しかし、同じところに戻るのではなく、その物語の進行と共に少しだけ時間が経過しています。まるで螺旋を描くかのように。妖精たちは肉体を越えて更に新たな次元へ進化し、浄化され、そして、天界へ繋がってゆくのです。その先は、あなた自身の物語として、ストーリーを紡いでいただければと思います。
(*1) シルル神:天界の住人で水に関連のある女神
(*2) プレアデスの姫達:プレアデス星団 (Pleiades) は、おうし座 の散開星団。KYOTAROはその星に女性性を感じ、姫として描きました。