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青山悟展「The Man-Machine(Reprise)」
Featuring  平石博一(TOKYO)

2012年08月29日(水) - 09月29日(土)

2012年8月29日(水)よりミヅマアートギャラリーにて青山悟展 「The Man-Machine (Reprise)」を開催いたします。 工業用ミシンを使い「労働」と「機械と人間の関係性」をテーマに制作を続けている青山悟は、近年、自身の刺繍と画家であった祖父の絵とを対峙させたシリーズ(ギャラリーαM、2010)や、薔薇という象徴的であるが故に陳腐にさえなりかねない主題に敢えて挑んだ一連の作品(ミヅマアートギャラリー、2011)等、「刺繍」というメディアそれ自体の意味を再認識 し、拡張するかのように精力的に発表を行っています。 本展では、政治や社会情勢を扱うニュース雑誌を切抜き、その表と裏の両面をフルカラーの糸を使って再現した刺繍作品 を、展覧会初日に開催する平石博一とのライブ・パフォーマンスの記録映像と共に発表いたします。 恣意的に選ばれたニュース記事の表とそこに自動的に付随する裏は、革新的な平和活動家 のイメージが強い ジョン・ レノンが 実は保守派だったという記事のイメージと、その裏の「原発はいらない」という記事のイメージのように、一見、意図しない組み合わせでありながらもどこか呼応しあうような関係性を持っています。それらのニュース記事を一針一針丁寧に縫いあげていく作業は、作家にとって日常の中で見過ごしているものに気づき、理解を深める足掛りとなったと言います。 テクノロジーが発達し、インターネットの情報伝達速度が加速していく時代に、一時代前の工業用ミシンを用い、制作し続けることの意味とは何か、またメディアが伝える情報が変化し風化していくなかで変わらず残るものとは何か。 青山は自身の制作過程の中で次のように述べています。 「表に見えているものが裏にあるものと同様に意味がなかったとしても、裏にあるものが表に見えているものと同様に意味がなかったとしても、何かを信じ、選択していかなければならない」


展覧会タイトルは、クラフトワークの1978年のア ルバ ム”The Man-Machine” にちなんでいます。邦題で「人間解体」と付けられたこのアルバムが、むしろ「人間性への回帰」として鳴り響いているかのような今現在、「機械と人間の関係性」はどのように変化し、どこへ向かっているのか。また、異なる価値観と溢れる情報の中から私たち 個人は一体何を選 択し、そてこれからどのような社会を築くことが出来るのか。本展がこのような議論のささやかなきっかけになることを青山は願っています。 刺繍というメディアを通し、時間をかけて「今」と向き合った作家からの真摯な問いともいえる本展をぜひご高覧ください。

—————————————————————————– <青山悟 プロフィール> 1973年東京生まれ。ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科を1998年に卒業、その後2001年にシカゴ美術館附属 美術大学で美術学修士号を取得し、現在は東京を拠点に活動 <平石博一 プロフィール> 1948年生まれ。独学で作曲を修得。70年代から80年代にかけて主にポピュラー・ミュージック,商業音楽系の作編曲やレコーディングの指揮などを行う一方、自作の発表を行うという独自の活動を展開してきた。作品を初めて発表した72年から一貫してミニマル・ミュージック的な作風を追及し続けてきた、日本ではほとんど唯一の存在。