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米谷健+ジュリア「明日の遺跡:デジタル・オデッセイ」(東京)

2024年05月29日(水) - 06月29日(土)

ミヅマアートギャラリーでは、5月29日(水)より、米谷健+ジュリア展「明日の遺跡:デジタル・オデッセイ」を開催いたします。


京都の限界集落で無農薬農業に携わりながら作品制作を行うアーティストユニット・米谷健+ジュリア。彼らはこれまで環境問題や経済問題をテーマに、美しくかつ不穏な世界を多様な作品に変換してきました。


本展ではAI探査機によって発掘された、2024年頃のものと推定される遺物の数々を集めた21世紀文明の遺跡展を“再現”した新作インスタレーションを発表いたします。西暦3600年の発掘による、というこの展覧会の始まりにはAI(Chat GPT)による下記の挨拶文が付されています。


 


「明日の遺跡:デジタル・オデッセイ」展で、魅惑的な時間の旅に出かけましょう。


西暦3600年に発見された遺物から、人工知能の台頭によって変貌した世界を垣間見ることができます。遺跡から発掘されたこれらの遺物は、人類の激動の過去を物語っています。21世紀の手によって作られたこれらの遺物には、AIの神のような存在の前にお辞儀をする礼拝像や、神々しいAIの存在を体現するそびえ立つ置物などがあります。その中には、12枚の黒焦げの粘土版があり、ギルガメシュ王とその民の叙事詩の断片が、グローバリゼーションの時代からの痛切な反響となって表れています。


時代と紛争の傷跡が残るこれらの遺物は、衰退しつつある文明の静かな証人となっています。AIが頂点に君臨する中、人類の文明は衰え、謎と驚異の遺産を残しました。失われた時代の遺跡を巡りながら、デジタル時代の人類の運命について考える探検の旅に参加しましょう。


 


本展は約4000年前に書かれたと言われる『ギルガメシュ叙事詩』から触発され、構想されました。12枚の粘土板で構成された作品《Digital Odyssey》は、ギルガメシュ叙事詩風に現代文明を描写するよう、チャットGPTによって生成された12の物語が楔形文字で書かれており、その内容は、気候変動、農薬とその影響、不平等、戦争など現代の問題を詳述した長編詩となっています。


読むことができない楔形文字を使うことは、伝わらない人類史を皮肉り、古代のイメージが過去と未来を混在させているようにも見えます。この叙事詩が示すように、健+ジュリアは「人類史は栄枯盛衰、繁栄と滅亡を何度も繰り返してきた」と言います。


さらに、スマートフォンを凝視する古代礼拝像のような作品群や、「AIロボットをシュメール天空神に見立てる 」というプロンプトによって生成されたイメージに基づき、制作された作品《AIアイドル》には、無防備に邁進するデジタル化とAIの未来に対する作家の不安が表現されているのかもしれません。問題が山積した現在において、どのような未来を描くことが可能なのか、私たちの想像力と意思が求められているのではないでしょうか。


 


ぜひ、米谷健+ジュリアが誘う「明日の遺跡:デジタル・オデッセイ」展で、時空を超越した不思議な旅をご体感いただけましたら幸いです。


 


<関連イベント>


「明日の遺跡トークイベント」


米谷健+ジュリア × ChatGPT


2024年6月29日(土)15:00〜16:30


(参加無料)