Exhibitions

Archives

森淳一展「裏庭の鏡」(TOKYO)

2026年01月28日(水) - 02月28日(土)

ミヅマアートギャラリーでは、1月28日(水)より、森淳一展「裏庭の鏡」を開催いたします。

森は今年、故郷である長崎県立美術館にて開催された「ゴヤからピカソ、そして長崎へ 芸術家が見た戦争のすがた」展において、長崎に投下された原爆を主題とする旧作と新作を組み合わせた展示を行いました。歴史の影に光を当てた森の作品は、多くの鑑賞者に深い印象を残しました。

約7年ぶりの個展となる本展では、新作シリーズ《星翳(ほしかげ)》を中心に展示いたします。


 


本シリーズは、アルベルト・ジャコメッティが1930年代に制作した多面体の彫刻《キューブ》と、同時期の素描《月を思わせるもの(原題:Lunare)》が制作のきっかけとなりました。

ジャコメッティの多面体の意味を探る過程で、森自身もいくつかの多面体の制作に取り組みましたが、明確な手がかりを得るには至りませんでした。その制作の途中で不意に姿を現したのが《星翳−初層・キューブ》でした。森はその「初層」の中に、《月を思わせるもの》に描かれた、暗闇に浮かぶ仮面のような存在と通じる「星」を見いだしたと言います。


 


近年森は、目の前から消えてしまったものや、実際に見たことはなく想像の中にのみ存在するものなど、実体の曖昧な対象を作品化してきました。夜空の彼方に光る星もまた、その実体を確かめることのできない存在です。


 


オニキスや大理石の端材を用い、石が持つ固有の模様を見極めながら一つずつ成形していく《星翳》は、制作過程のなかで、それぞれの個性や表情を浮かび上がらせていきます。当初は星にまつわるエピソードを制作の動機としていましたが、今は石と向き合って制作する過程そのものに重きを置いていると森は語ります。100点を目標として始まった本シリーズは、すでに50点以上制作されています。森にとってこのシリーズはまだ途上にあり、今後も継続して制作していく予定です。


 


展覧会タイトルの「裏庭の鏡」は、「ウラニアの鏡」という200年前に作られた星図カードの名前の聞き間違えによって偶然生まれました。密やかに世界を映す鏡のような、その神秘的な言葉の印象は、星座が描かれた「ウラニアの鏡」と不思議と重なり合います。


「それぞれを結びつける何か(星座のようなもの)が現れること」を期待しながら、空間に散りばめられる星翳たちをぜひご高覧いただけますと幸いです。