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赤松音呂展「Meteon」(TOKYO)

2019年05月29日(水) - 06月29日(土)

ミヅマアートギャラリーでは、5 月 29 日(水)より、赤松音呂展「Meteon」を開催いたします。


昨年ミヅマアートギャラリーで開催した初個展「Chijikinkutsu/Chozumaki」では、地磁気や渦巻きの作用を用いたサウンド・インスタレーション作品を展示した赤松。オーストリア の国際的なメディアアートコンペティションであるアルス・エレクトロニカ賞で 2015 年にゴールデン・ニカ賞(グランプリ)を受賞後も海外を中心に精力的に展示をし続け、前回の 個展後もスペイン、オーストリア、台湾、カナダなど世界各国の展覧会や芸術祭などで作品を発表しています。



赤松が本展で発表する作品は、気化熱の原理を利用した《Meteon》と地磁気の視覚化を試みた《Chijikigumo》の二つの新作です。

「Meteon」とは、Meteorology(気象学)と On(音)を組み合わせた赤松の造語で、気化熱の原理を取り入れたサウンド・インスタレーションです。水が蒸発する時に気化熱が奪わ れて温度が下がり、この時に生じた温度差が音を発するシステムの原動力となっています。赤松は、水の蒸発を気象の現象のひとつとして象徴的に扱い、ガラス器の内部を架空の惑星に存在する気象環境に見立てました。ギャラリースペースに入ると四方からランダムに聴 こえてくる音。その音と音の「間」が生み出す予測できないリズムによって、私たちの聴覚は敏感になり、感覚の拡張を体験させます。



「Chijikigumo」は、雲のように浮遊する折り重なる輪が、地磁気の存在によってなめらかに旋回するインスタレーションです。最新の研究で、季節の渡りや帰巣などを行うため、体内に地磁気を感じるセンサーを持つ渡り鳥や蜂のように、人間にも磁気を第六感として感じる潜在能力がある可能性が出てきました。長年に渡って地磁気に興味を持ち続け、度々作品にも取り入れてきた赤松が、試行錯誤を繰り返し、地磁気を雲状の動作を通して視覚化した新作です。



私たちのまわりで自然に発生している現象を繊細に感じ取り、作品へとつなげていく赤松の、世界に先駆けて発表される新作群をぜひこの機会にご覧ください。